共感連載の1と2で紹介した『共感力を育む』(ミシェル・ボーバ著)の第4章のサブタイトルは、「共感力を養うための読書」で、私が一番お気に入りの章です。その有効性は、ほかの章のほとんどでも絵本や児童文学(+映画やビデオ)が使われていることからも分かります!)
以下、第4章からのメインポイントを紹介します。
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「子どもにとって読書が重要だということを信じない親は稀だし、世間に広まっているデータもこの見解を指示している。読書力がある生徒はそれが足りない生徒よりも、学校生活がうまくいき、高得点を取り、試験にも合格する。・・・しかし近年、読書は子どもの頭をよくするだけでなく、親切にもするという、驚くべき追加の価値が発見されている」(113~114ページ)
「読書によって子どもの人生やうまくいくし、共感力も身につく―これはとても簡単なことに思える。しかし、デジタル機器に追い立てられ、何事も高速で動く今日の社会(子どもたちも過密なスケジュールに追い立てられている!)にあっては、子どもに読書の習慣を身につけさせるのは簡単なことではない」(114ページ)
「映画を見たり、すばらしい本を読んだりした後、非常に心を動かされてしばらくのあいだ身動きもできなかったことはないだろうか? 影響を受けたのは心だけではないと、今では分かっている。誰かの感情を認識すると、私たちの脳は同じ感情を実際に生成すると、データは示している」(119ページ)
本を読んだり、いい映画を見たりする習慣をつけるためのコツは、「子どもの能力と興味に読む本や映画・ビデオを合わせると共に、それをすることが子どもにとって楽しく意味があるものにすること」としたうえで、「子どもの共感力を培うと同時に、認知的発達を拡大し、学力を高めるために、文学作品や映画を使う方法」(127~8ページ)を紹介してくれています。その主だったものは、
・本を身近に置く。
・読み物は子どもの好み(興味、関心、こだわり、テーマ)に合わせる ~ 教師や親が読ませたいものではなく!
・子どもの読書能力レベルに合わせた本を選ぶ。
・優れた情報源を見つける ~ 司書に教えてもらうだけでなく、自分で本を選べる力を身につけてもらう。選書能力があれば、生涯読み続けることは間違いない!
・読み聞かせはできるだけ長く続ける ~ http://wwletter.blogspot.com/2023/04/blog-post_14.htmlを参照ください。
・家庭映画会(学級や学校映画会も)をする。
・ブッククラブ(読書会)をする ~ 絵本でも、児童文学でも、小説でも、ノンフィクションでもできます(最後のは「共感」を養うにはそぐわないかもしれません)。詳しいやり方を知りたい方は、学校や家庭での(+職場や教員仲間との)ブッククラブのやり方が詳しく書いてある『読書がさらに楽しくなるブッククラブ』がおすすめです。★
これらをしやすくするためにも、第4章を中心に本全体で、たくさんの絵本、本、ビデオ、映画のタイトルが紹介されていますので(下のURLの「共感2」)、これまでに紹介したSEL用の本と一緒にご覧ください。
(※ なお、共感1と2以外のリストは、島根県立大学松江キャンパス・おはなしレストランライブラリーの司書、尾崎智子さんと内田絢子さんが作成してくれました。)
★このブッククラブ、やり方次第では、他のどんな方法よりも効果的かつ効率的な教員研修の方法です。そのためにも、ぜひ本プラス https://tommyidearoom.com/%e3%
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