「車椅子やベビーカーユーザーの優先/専用エレベーター問題」を含めて、世の中の複雑な問題を解決・改善するための2番目のアプローチとして紹介するのは、PBL(プロジェクト学習とプロブレム学習)です。
https://wwletter.blogspot.com/2021/08/wwrw.html および
https://wwletter.blogspot.com/search?q=PBLと
https://projectbetterschool.blogspot.com/search?q=PBL
どちらも、SELと(教科を統合する形で)問題解決学習を同時に実現する教え方・学び方です。教科をブツ切りに教えられるよりも、子どもたちははるかに喜ぶ(だけでなく、主体的かつ身につく)学び方です。
まず、次のSELとPBLを比較した表をご覧ください。
これだけでも、両者が密接な関係にあることがお分かりいただけると思います。いずれかを実践するということは、もう一方も同時にしていると言えそうです。★
https://spencerauthor.com/the-powerful-combination-of-pbl-and-sel/★★のなかには、いくつかの見ごたえのある動画と聞きごたえのあるポッドキャストがあります。(最初に紹介した表も、そこで紹介されていたので知りました!)
もう10年以上前になりますが、グーグルが2つのプロジェクト(プロジェクトOxygenとプロジェクト・アリストテレス)を通して、SELの重要性を証明しました。
プロジェクトOxygenは、理想のチーム・リーダーの資質を明らかにしたものです。8つの資質がリストアップされましたが、そのほとんどすべてが「ソフト・スキル」、つまりSELのスキルでした。一方、プロジェクト・アリストテレスは、2012年にGoogleが発表した企業向けリサーチです。プロジェクトの目的は、生産性の高い「効果的なチームの条件」を調査して、定義づけることでした。発見したことは、真に重要なのは「誰がチームのメンバーであるか」よりも、「チームがどのように協力しているか」であることを突き止めています。そして具体的には、次のような条件が大切だと!(これらも、ほぼすべてSELのスキルと言えそうです!)
1)心理的安全性 ~ 対人関係においてリスクある行動を取った時の結果に対する個人の認知の仕方。
2)相互信頼 ~ 相互信頼の高いチームのメンバーは、クオリティの高い仕事を時間内に仕上げる。(これに対し、相互信頼の低いチームのメンバーは責任を転嫁する)。
3)構造と明確さ ~ 効果的なチームを作るには、職務上で要求されていること、その要求を満たすためのプロセス、そしてメンバーの行動がもたらす成果について、個々のメンバーが理解していることが重要になる。
4)仕事の意味 ~ チームの効果性を向上するには、仕事そのもの、またはその成果に対して目的意識を感じられる必要がある。
5)インパクト ~ 自分の仕事には意義があるとメンバーが主観的に思えるかどうかは、チームにとって重要である。
ある意味では、ソフトウェア等を中心にした企業の多くは、プロジェクトで仕事を常に動かしていると言えます。その意味でも、その練習として学校にいる間にプロジェクトに取り組む形でプロジェクト学習に取り組むことは価値が大きいわけです。(もちろん、理由はほかにもたくさんありますが、なかでもその筆頭は、従来の学び方では記憶に残らない/身につかないのに対して、プロジェクト学習は生徒たちの主体性の度合いが比較にならないほど高いので、身につく/記憶に残るレベルも格段に高くなります。)なお、PBLとして知られるもう一つのプボブレム(問題解決)学習や、探究学習、デザイン思考は、基本的に同じです。いずれも、探究のサイクル、問題解決のサイクル、デザイン思考のサイクルを回し続ける形で学びます★★★。これらについて詳しくは、『あなたの授業が子どもと世界を変える』『だれもが科学者になれる!』『プロジェクト学習とは』『PBL~学びの可能性を開く授業づくり』を参照ください。どれも、サイクルが描かれる形で説明されています。
★SEL✕PBLの表の出典は、https://www.michaelkaechele.com/marriage-of-sel-and-pbl/
★★このサイトの運営者が『あなたの授業が子どもと世界を変える』の著者でもあり、その本の中で、このURLで紹介されている内容が詳しく紹介されています。
★★★1~2回、回す程度ではやらないのと同じです。繰り返し回して、習慣化することが大切です。それほど大切なものですから(ほかの多くのことを忘れても、これだけ身についていたら、世の中ではかなりのことが達成できるぐらいに!)。 なお、デザイン思考については、次回紹介します。
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