あなたは、EQを知っていますか? IQは聞いたことがあると思いますが、1996年に日本でも発売されたダニエル・ゴールマンの『EQこころの知能指数』で一躍有名になりました。IQよりもEQの方が実社会でのパフォーマンスをより正確に予測すると主張されていました。この記事は、『教師のためのアート・オブ・コーチング』の著者のエリーナ・アギラーさんが2015年の6月29日(アメリカでは夏休み中)に書いた記事です。
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チームとして何ができるか、どんな対話が生まれるかを最も左右するのは、メンバーのEQかもしれない。
私は、チームづくりについての“最大の発見”のひとつをこれから共有しようと思います。この理解のおかげで、これまでの私なら決して思いつかなかったような行動を、グループで働くときに取れるようになりました。そしてこれは、教育者同士が協働し、共に学び、学校を変えていくための「効果的なチーム」をつくる鍵のひとつでもあると感じています。
おそらくあなたもEQという言葉を聞いたことがあるでしょう。自分がどんな感情を経験しているかを認識し、それを扱うための戦略をもち、他者の感情を読み取り、適切に反応する力のことです。チームリーダーの EQは非常に重要ですが、実は チーム全体としての“集合的なEQ” というものも存在します。研究者によれば、これこそが「高いレベルで機能するチーム」と「平均的なチーム」を分ける決定的な要因なのです。
なぜ「チームとしてのEQ」が重要なのか
チームのEQは、そのチームが何を成し遂げられるか、どんな対話が生まれるか、そしてメンバーが会議にどんな気持ちで参加するかを左右する、最も重要な要因かもしれません。しかし、個々のメンバーの EQが高いからといって、チーム全体の EQも高くなるとは限りません。グループは、集まった瞬間に“独自の性質”を帯びるからです。
グループの EQ が低いときに見られる兆候
- 話しているときに、メンバー同士が目を合わせない。
話し手が特定の一人やリーダーだけを見る。 - メンバーがテクノロジーや周囲のことに気を取られ、注意が散漫になる。
- 話し合いの最中に、互いの発言を遮る。
- 誰かが意見や視点を共有すると、最初の反応が「反論」「懐疑的な質問」「挑戦」になる。
- 会議の進め方やプロセスについての質問が、何度も繰り返し出る。
- 重要ではあるが、その場にふさわしくない、対立を生みそうな話題を持ち出す。
- メンバー同士をけなしたり、攻撃したりする。
- 一人の意見・混乱・反対・感情によって、会議全体が乗っ取られてしまう。
- 他者(保護者、管理職、教育委員会など)への“責任転嫁”が多い。
- 会話が、チームのコントロール範囲外のことばかりに向かう。
- 個人の思い込みが「事実」として語られる。例:「うちの子どもたちには無理だよ」
グループのEQが高いときに見られる兆候
- 誰かが話しているとき、メンバー全員と目を合わせようとする。また、メンバー同士が互いの意見を言い換えて確認する。
- 新しいアイディアが出ると、まず“興味”や“好奇心”が向けられる。
- 「私はもうたくさん話したので、このテーマでは他の人の意見を聞きたいです」といった発言が自然に出てくる。
- メンバー同士が互いに共感を示す。さらに、チーム外の人に対しても共感的である。
- 会話の焦点が「解決策を探すこと」に向いている。
- 誰かが感情的になっているように見えると、メンバーがそれに気づき、声をかける。例:「今どんな感じですか?少しつらそうに見えます。」
- 話し合いの最中に、プロセスについてフィードバックをし合う。例:「ちょっと急ぎすぎて、全員の意見を拾いきれなかった気がします。他の人はどう感じましたか?」
- 会議の最後にも、プロセスについてフィードバックをし合う。例:「最初の対話はとても助かりました。もっと次のステップを整理する時間があればよかったです。次回そこに時間を取りたいと思う人はいますか?」
- ユーモアが適切に使われ、場の雰囲気やメンバーの気持ちに気づくきっかけになる。
- メンバーが、前向きに捉えられることを見つけようとする。
- チームへの貢献や行動に対して、メンバー同士が感謝を伝え合う。
グループにとってのさらなるメリット
EQの高いチームは、メンバー個々の気分だけでなく、チーム全体の雰囲気も上手に扱う方法をもっています。その“気分のマネジメント”は、必ずしもリーダーが担う必要はありません。むしろ、誰でも必要に応じて、雰囲気やコミュニケーションの流れ、人間関係の調整に関わる権限を自然に引き受けられることが、感情的知性(EI) の高いチームの特徴です。
多くの場合、メンバー同士がこうしたやり取りを調整する方法は、心地よく、適切に感じられます。EQの高いチームでは、仕事やチームの関係性をよりよくするための気づきや観察、提案が歓迎されます。たとえば、誰かが話しすぎているとき、別のメンバーが軽い調子でこう言うかもしれません。「はいはい、ジェームズ! そのアイディアが大好きで、すぐに取りかかりたいって気持ちはよくわかったよ。熱意はありがたいけど、ほかの人の意見も聞きたいから、ちょっと口をチャックしてね!」そして EQの高いチームなら、ジェームズは笑いながら口をチャックするジェスチャーをして、他の人の話を聞く側に回るでしょう。
チームにEQという概念を持ち込むことは、私たちがグループをどうファシリテートするかに大きな影響を与え、チーム内のさまざまな課題に対処する助けにもなります。ただし、目的は単に“気持ちよく過ごすこと”ではありません。チームがEQを育てるのは、互いの“感情のスイッチ”を押し合うのではなく、互いの“思考を押し広げる”対話ができるようにするためなのです。
出典:https://www.edutopia.org/blog/key-effective-teams-schools-emotional-intelligence-elena-aguilar
皆さんは、怒涛の年始を過ごされた(まだ、現在進行軽でしょうか?)ばかりかと思います。日本は、春休みが年度替わりの時期になっているので、欧米の夏休みと比較して極めて短いのが特徴です。ひょっとしたら、それが毎年同じことをせざるを得ない理由かもしれません。いかんせん、準備の時間が短すぎますから。授業も含めて、何事も準備が占めるウェートは大きいですから。でも、今回紹介する内容や次回紹介する予定の内容(=連載中の「責任ある意思決定」の最終回)などは準備の時間が不可欠な内容に思えます。
