生徒たちに、少しでもよりよいものを提供したいと願っている教師に、イノベーターのマインドセットの大切さを提唱している本があります。
それを可能にする八つの要素を、『教育のプロがすすめるイノベーション』の著者は、以下の図でわかりやすく示してくれています。
これら八つをすべて満足している教師はいないかもしれません。徐々に増やしていけばいいのです。一つひとつ確実に。
そして、その一番目にリストアップされているのが、なんと「共感」です。
これを実現するために、本の著者は、次の質問をすることを勧めています。
「自分自身がこのクラスの生徒になりたいか?」★
そして、「共感できる教師は、教室の環境と学びの機会を、教師の視点ではなく生徒の視点から考えます」と言った後で、具体的な事例としてリサという教師の例を示してくれています。
「(彼女は)これまでの指導方法では、(生徒たちが)意味のある形で学習内容を学ぶことができないと理解していました。すでに教える内容について彼女は精通しており、授業を行うことは簡単だったのですが、学習者である生徒にそのニーズや関心をもたせることはありませんでした。
それを改善するために、リサは教室を教師中心から学習者中心に転換したのです。彼女は自分の役割を変え、経験の設計者(生み出す役)になりました。そのことによって生徒たちは、実際に自分自身で学習をつくり出したのです。
リサは、生徒たちとより良い人間関係を築きたいと思っていました。また彼女は、何人かの生徒がメディアの作成方法を知っていて、それを楽しんでいることも知っていました。しかし、その生徒たちは、その方法が学習効果を上げるものだとは必ずしも考えていませんでした。リサは、彼らの興味と彼女が考える指導方法を結びつけることで、革新的な学びの体験を生み出したのです」(『教育のプロがすすめるイノベーション』の54ページ)
★ちなみに、同じ本の40~45ページで「イノベーティブな教師=イノベーターのマインドセットをもった教師になるための5つの質問」を紹介されています。
・自分自身がこのクラスの生徒になりたいか?
・この生徒にとっての最善は何か?
・この生徒がもっている情熱は何か?
・真の学びのコミュニティーを作り出す方法にはどのようなものがあるか?
・今やっていることは、どのように生徒たちの役に立っているのか?
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