これまで、自己管理のための方法として時間管理の方法、マインドフルネスのテクニック、ストレスへの対処法などを紹介してきましたが、今回は(SELの2本目の柱である「生徒が自己管理/コントロール能力を身につけることの大切さ」の5回目は)、それ以外の生徒が自己管理のさまざまな側面を理解して、向上させるための4つの方法を紹介します。それは、①目標を達成できる学習者の特徴を明確に特定する、②責任感を養うために教室での役割を活用する、③責任を果たすために考えだしたことを声に出して共有する、④責任ある行為を認める、です(『成績だけが評価じゃない』の142~5ページ)。
①
目標を達成できる学習者の特徴を特定する
生徒に、目標を達成する学習者の特徴を取り上げてもらうことからはじめます。たとえば、「本を読むのが好き」、「指示に従う」、「計画性があり、物事を順序立てて考えたり行動できる」などです。そして、その回答を書き留め、その資質を「知識」、「責任感」、「態度」などといったいくつかのカテゴリーに分類します。
次に、生徒の年齢に応じて、これらのカテゴリーの特徴を定義づけします。それぞれの特徴がどのようなものか、良い例と悪い例を挙げて定義をより明確なものにします。この表を教室に掲示して、一年を通して参照できるようにします。
② 責任感を養うために教室での役割/任務を活用する
多くの教師は、教室を管理するために、生徒ができることを記した係活動の一覧表を掲示しています。生徒に係を割り当てるということには、さまざまな利点があります。それによって、「自分の任務を遂行するのに役立つだけでなく、生徒に目的意識と、教室おいて目に見える形での日常的な責任感を与えます」。
係活動を行う場合、欠席する日には、事前に代わりの人を見つけなければならないというレベルの責任が伴います。係活動にかかわる責任の重さは、すべての生徒が目にします。そして、「みんなにとってその役割を果たすことがどれほど重要なのか、果たせない場合にはどのような影響があるか」について目の当たりにするのです。
なお、この点については姉妹ブログ「PLC便り」(https://projectbetterschool.blogspot.com/)の8月17日(日)の記事をご覧ください。異なる視点を提示してくれています。
③ 責任を果たすために、考えたことを声に出して共有する
考えたことを声に出すという行為は、状況や行為の結果起こりそうなことを考慮して、最善の計画を立てる方法を示すためによい方法です。教師は次のような形でモデルを示すことができます。
明日、私は学校に来られません。私がいないと何かできないことはありますか? 今週のテーマは、しっかりとコミュニケーションをとることです。明日は、代わりの先生にそのことを伝えて、やってもらいます。
また、明日に起こったことを私が把握しておく必要もあるので、学校に戻ったら朝一番に連絡をとって、前日のことを教えてもらうようにします。いや、明日の放課後に代わりの先生にメッセージを送れば、その日のうちに情報が得られるので、明後日学校に来ても、遅れることなく予定していることはうまくやれると思います。
④ 責任ある行為を認める
教室の規範を実行している生徒を認める、これは非常に重要なことです。そのためには、保護者に連絡し、責任ある行動の具体例を伝える必要もあります。また、家庭において責任感をもたせるためにどのようなことをしているのかと、保護者に尋ねてみるのもいいでしょう。
よいアイディアがあれば、その方法を教室で応用してもいいでしょう。もし、保護者が教師の助けを希望するのなら、保護者と協力して、子どもが家庭で責任感と時間管理のスキルをさらに向上させるためにはどうしたらよいのか、例を挙げながら説明することもできます。
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