英語圏で最も広く受け入れられているCASELによって提示されたSELの5本の柱については、新たに追加する書き込みの●SELの5本の柱で見られます。それに対して、『学びは、すべてSEL』の著者たちのSELの捉え方は、http://wwletter.blogspot.com/2023/02/sel.htmlの図に表されています。若干のズレがあります。(以下の表をご覧ください)
『学びは、すべてSEL』の5本の柱 CASELの5本の柱
アイデンティティーとエイジェンシー 自己認識
感情調整 + 認知調整 自己管理能力
社会的スキル 社会認識
対人関係
公共心 責任ある意思決定
共感は、左側では「社会的スキル」のなかに、CASELでは「社会認識」のなかに含まれています。
『学びは、すべてSEL』の第5章の最初の3ページに、著者たちが「社会的スキル」に含めている7つの項目と、「共感」(プラス関係の構築とコミュニケーションおよび向社会的スキルや人間関係の修復)にまつわるとてもいい事例が紹介されているので、そのコピーをお読みください。
思春期にある生徒の個人的な問題に教師が介入するのは難しく、アニッサがガルシア先生に対して心を開かなかった可能性もありました。しかし、いくつかのことがガルシア先生(とアニッサ)に有利に働きました。あなたは、コピーを読んでそれをいくつ挙げられますか?
学校での生活や人生において、なくてはならない前向きな社会的スキルや人間関係は伝染していきます。一方、ネガティブなものも同じく伝染してしまいます。良好ではない人間関係はすぐにほかの人に広がり、学習意欲を低下させます。これが、個人レベルと教室レベルで社会的スキルと前向きな人間関係(これまで見てきたように、その中核に「共感」が位置づけられます!)を教えなければならない理由です。
そして、ここで見逃してはならない重要な考え方は、「人間関係は、教師であるあなたからはじまる」ということです。教師であるあなたは、生徒同士の人間関係を発展させる仲介役なのです。(175ページ)
『学びは、すべてSEL』のなかで、生徒の共感を育むことにつながる教師が行える具体的な方法として、以下のようなものがありますので、試してみてください(211~216ページの活動名のみ掲載)。
・感情にラベルを付ける
・生徒に自分の感情について説明するように求める
・共感的な行動を称賛する
・非言語的な手がかりを教える
・怒りで生徒をコントロールしない
・共感を必要とする仕事を生徒に与える
・絵本や児童文学を使う
・「私」メッセージを教える
以上のほかに、「コミュニケーション」で紹介されている
・アクティブ・リスニング(よく聴く、深める質問をする、説明を求める、言い換える、感情に注意する、要約する)
・3種類のコミュニケーション・サークル(順番に発言する、順番に発言しない、金魚鉢)
も、「共感」する力を練習するための方法だと思います。
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