2024年1月20日土曜日

SELのプログラムを体験できる機会

 以下、読者の田中先生から情報が送られてきたので紹介します。

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皆さん、こんにちは。

SEE Learning Japanのチームの一人で、東京都のかえつ有明中・高等学校で教員をしている田中理紗と申します。

かえつ有明中・高等学校では長く探究学習やこれからの社会で身に着けるスキルやマインドについて先生たちと学んでまいりました。

その中で、異なる価値観や文化・風習が混ざり合う世界において、私たちがしなやかに、ウェルビーイングに生きるため、SEL(社会性と情動の学習)をプログラムの大事な要素として取り入れるようになりました。

私がはじめてSELと出会ったのは、MITで実施されている"Introduction to Compassionate Systems Framework in Schools"というワークショップに参加したことがきっかけでした。

https://systemsawareness.org/introduction-to-compassionate-systems-framework-in-schools/

こちらのワークショップは「学習する組織」「学習する学校」の著者であるピーター・センゲ先生が主導し、これからの教育で必要な知性として、システム思考の教育とSELの教育、そしてそれらが相互補完的であることを体験的に学ぶことができました。

そのことをきっかけに、日本で引き続きこれらの学びが広がっていくように先生向けの学びの場の運営をお手伝いしています。

https://peatix.com/group/7220938

ピーター・センゲ先生がこちらのワークショップを開催するきっかけとなったのは、日本ではEQで有名なダニエル・ゴールマンさんとの対談がきっかけだったようです。こちらの対談の内容はTriple Focusという書籍にまとめられ、日本では「21世紀の教育 子どもの社会的能力とEQを伸ばす3つの焦点 」という書籍になり、昨年出版されました。https://amzn.asia/d/9QXBz8Y

ピーター・センゲ先生がCompassionate Systems Framework in Schoolsの形で、世界にこの新しい教育の形を提案されている一方で、ダニエル・ゴールマンさんの協力で、この新しい教育の提案はエモリ大学でSEE Learningという形になりました。このプログラムは、ダニエル・ゴールマンのEQに関する研究と、ダライ・ラマの平和、理解、思いやり、そしてすべての人類が地球というひとつの家を共有しているという考え方がとても大切にされています。私自身はピーター・センゲ先生のCompassionate Systems Frameworkについて引き続き学びながらも、SEE Learningのファシリテーターのプログラムを現在受講しています。

さて、ここからが本題なのですが、実は来たる3月になんとエモリ大学のSEEラーニングチームから先生方が来日し、教員向けワークショップを開催されるとのことで、そのお手伝いもさせていただくことになりました。私が現在学んでいるファシリテーターのプログラムは世界各国の先生が受講できるように英語で開催されています。とても勉強になるのですが、受講期間も6カ月と長いだけでなく、現状、英語ができない方が受講するにはかなりハードルがあります。一方で、この3月のプログラムでは英語の通訳の方もいらっしゃるので、どなたでも受講できる内容になっております。

https://www.seelearningjapan.com/202403ws

もしご興味ある方がいらっしゃいましたら、ぜひご参加いただけると嬉しいです。

なお、参加にあたり金銭面でヘルプが必要な場合は、個別で私(tanaka@ariake.kaetsu.ac.jp)までご相談いただけたら、もしかしたら少しではありますがクーポンが出せるかもしれないので、ご連絡いただけたらと思います。

場所が都内ということや有料ではあるので、地方の先生方や研修費等の兼ね合いやご負担はあると思いますが、実際にエモリ大学に行って学ぶことや私が参加しているオンラインのオールイングリッシュ版と比較すると、ずいぶん参加しやすいんじゃないかなと思いますので、SELSEEL、マインドフルネスを教育現場で取り入れていくこと等にご興味がある方いらっしゃったら、ぜひ一緒に学びましょう。

皆さんにお会いできることを楽しみにしております。

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SELのプログラムについての情報です。

今回紹介されるSEELは、比較的新しいSELのプログラムのようです(下で紹介する、主だったSELのプログラムには含まれていませんから)。すでに、アメリカには数百あると言われているSELのプログラムに新たに追加されたわけです。

●プログラムを学校等に導入する際の考え方については、https://selnewsletter.blogspot.com/search?q=SEL%E3%81%AE%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0を参照してください。

●ご自分で確認したい方は、SEL関連で一番多くの情報を発信しているhttps://casel.org/

のサイトをご覧ください。特に、https://casel.org/news-publications/sel-publications/ でたくさんの資料を見ることができます。

 そのなかには、たくさんのプログラムのなかから厳選された85のプログラムを詳しく見る/比較できる資料も提供してくれています。https://pg.casel.org/review-programs/

 この種の情報で、かなり重宝されている情報がもう一つあります。それは、ハーバード大学内の The Ecological Approaches to Social Emotional Learning (EASEL) Laboratoryが実施、ウォラス財団が委託・出版している主なSELの比較分析結果です。
 小学校版は、https://wallacefoundation.org/sites/default/files/2023-08/navigating-social-and-emotional-learning-from-the-inside-out-2ed.pdf(33プログラムが対象)

中高版は、https://wallacefoundation.org/sites/default/files/2023-09/navigating-social-and-emotional-learning-from-the-inside-out-middle-high-school.pdf(18プログラムが対象)で見ることができます。

 アメリカ等、欧米ではSELを実施している歴史が長く、またあまりにもたくさんのSELのプログラムが存在しているので、「しっかりした実績を生み出しているプログラムとは何か?」というような情報も、SELに取り組み始める教育関係者向けに提供されています。https://casel.org/blog/what-does-evidence-based-mean-why-is-it-important/

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