先週に引き続き、『SELを成功に導くための五つの要素』https://projectbetterschool.blogspot.com/2023/08/blog-post_20.htmlが企画し、著者の一人のマーク・ワイルディングさんも講師に招いて行われるSEL関連のワークショップが2月15~18日に開催されます。
https://www.kokuchpro.com/event/koka2023/
なお、ワークショップおよび本は、SELのプログラムではありません。
本の内容については、次の紹介文を参照ください。
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最近、巷では「心理的安全性」という言葉をよく耳にします。一人ひとりが自分らしく居られ、安心して率直に自分の考えや意見が出せ、それを周囲の仲間に受け止めてもらえる。そんな関係性でできたコミュニティーが、心理的安全性の確立されたコミュニティーと言えるのでしょう。
教育界でも心理的安全性と学習効果の相関が注目され、教師の在り方や教育実践の手法について、従来の教育シーンをガラリと変える転換期を迎えている、と教育現場に立つ一員として感じています。
とはいえ、情熱をもって「教育」という仕事に向き合っている教師ほど、この教育界の新しい動きの前に、その重圧を受け、立ち竦んでしまっているのではないでしょうか。
本書は、そんな教師をエンパワーする二つの魅力をもった本です。一つ目は私たち教師自身の原書タイトルの「エンゲージ・ティーチング」の実践が、同僚たちとの良好でサポーティヴな関係性を築き、健全で安心安全な職員室の創造につながるということ。毎朝、ポジティヴな気持ちで職場に向かう私たちの姿こそ、もっとも生徒に必要なことなのかもしれません。
二つ目は、教室の中で、真に意義のある学びを届け、生徒たちが自ら豊かな学びの旅へと向かっていけるような、具体的で即効性のある教育実践が豊富に紹介されていること。原書タイトルにも含まれる「エンゲージメント」には「夢中で取り組む」という意味の他に「結びつける・統合する」というニュアンスも含みます。SEL(感情と社会性の学習)と教科学習を、心と知性を、教える内容と背景を統合し、生きるうえで大切な感覚を養う教育的アプローチが「エンゲージ・ティーチング」です。
生徒が目的に満ちた意義深い人生を送れるようにと願い、そのために良い影響を与えられる教師でありたい、と日々腐心されている方にぜひ手にとっていただきたい一冊です。生徒たちが自らの個性やエージェンシー(主体性)を発揮し、伸びやかにそれぞれの学びに向かっていける、そんな教室が日本の中にたくさん増えることを願って。
佐野和之(かえつ有明中・高等学校副校長)
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