2026年9月5日土曜日

心のしなやかさを育む

少し立ち止まり、自分と向き合ったり、誰かと深くつながる時間をもつことは、心身のしなやかさを育てる力になります。

 教育に携わる仕事は、いつだって大変です。もちろん、時間がたつにつれて少しずつ楽になる部分もあります――おそらく、困難に向き合うための持ち駒(方法)を増やしていけるからでしょう。それでも、この仕事が「楽になる」日は来ません。変化はつねに難しいものですし、学校で働く以上、それは避けられないことです。

そして、人間として生きることも、ときにとても大変です。私たちにできる最善は、しんどい瞬間への向き合い方を学び、そして、嬉しい瞬間・喜びの瞬間・満たされる瞬間をしっかり心に蓄えていくことです。

秋から冬にかけては、立ち止まって物事を深く考えるのに最適な季節です。この「静かに考えたり振り返ったりすること」★は、感情的レジリエンス(心のしなやかさ)を育てるための大切な方法のひとつです。

 マイルズ・ホートンは、テネシー州にあったハイランダー・フォーク・スクールの創設者で、公民権運動の活動家たち、そして後には環境運動を始めた人々の「学びの場」をつくった人物です。彼が、仕事の重圧から離れたり、レジリエンスを育てたりするために何をしていたのかと尋ねられたとき、こう答えました。

「山を見るんだ。ただ腰を下ろして、山を眺めるだけさ。」

 

コンテンプレーションの力

ふつう「コンテンプレーションの実践」と聞くと、瞑想や祈り、静けさや沈黙といったものを思い浮かべるかもしれません。でも、この概念の定義をもっと広げてみると、同じ目的――立ち止まり、内側に向かい、自分や人生について振り返り、小さな喜びを味わい、ほかの生きものや無生物ともつながる――を果たす、さまざまな活動があることに気づけるかもしれません。

今朝、この文章を書こうと考えていたとき、私の猫が膝の上に乗ってきました。私はパソコンを置き、猫の柔らかくふわふわした毛を撫で、低く響くゴロゴロという音に耳を傾けることに夢中になりました。やがて彼女の目がゆっくり閉じていき、前足の上に頭を落として眠りに入るのを見つめました。その数分間、私は時間を忘れ、この家で一緒に暮らすこの小さな存在への深い感謝に満たされていました。心が静まり、穏やかで、幸せな気持ちになりました。そして気づいたのです――私は今、まさに「コンテンプレーションのひととき」を過ごしていたのだと。

 

行動としてのコンテンプレーション

The Center for Contemplative Mind in Society(社会におけるコンテンプレーションのためのセンター)は、「コンテンプレーションの実践の樹」というモデルを示しており、そこでは7つの枝――静けさ、創造、生成、アクティビズム、関係性、動き、儀式――が紹介されています。その中には、歌うこと、物語を語ること、イメージを思い描くこと、日記を書くこと、絵を描くこと、踊ること、そして「立ち会う(見届ける)こと」などが含まれています。またこの資料は、リンゴを食べる、庭の草取りをする、食事をつくるといった日常の行為も、意識と知恵を育てる意図をもって行えば、コンテンプレーションになり得ると教えてくれています。

あなたはどんなコンテンプレーションをすでに実践していますか?

どれが好きですか?

他にどんなことを試してみたいでしょうか?

立ち止まり、内側に向かい、人と深くつながる時間をつくることは、感情的にも、身体的にも、そしてもしかしたら精神的にも、レジリエンス(しなやかさ)の源を満たす行為です。
 大切なのは、意図をもって、今ここにいる感覚と集中をもって取り組むこと

陽が短くなる時期にいろいろ試すことで、新しい年にも続けられるようなコンテンプレーションの実践を育てる時間が見つかるかもしれません。

 

★「静かに考えたり振り返ったりする」は「コンテンプレーション」の訳として使いました。他には、内省、自分を見つめ直す、専門用語としてはmeditationの「瞑想」に対して、contemplationは「観想(神や真理について静かに思いを巡らすこと)」と訳されます。

出典・https://www.edutopia.org/blog/cultivating-your-emotional-resilience-elena-aguilar

この記事の執筆者のエリーナ・アギラーさんは、『教師のためのアート・オブ・コーチング』(図書文化)や、この記事のテーマを含む『Onward: Cultivating Emotional Resilience in Educators (しなやかな心で歩み続ける教師のためのレジリエンスの育て方)』という一番売れているとても中身の濃い本を10冊近く書いています。その中身の濃さを、唯一邦訳のある『教師のためのアート・オブ・コーチング』でぜひ味わってください。

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